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四日市パート3「出会い」

鰻の喜多川に行く時のお話を...

我々が宿泊しておりました事務所、ブルーススカイトムというコーポ。
なかなか爽快な名前でございますが、どこがブルースカイなのか?とんと判りません。
そこから、駅前までは交通機関がなく、
毎度タクシーを呼んで、移動させられる訳であります。

その日に、来て頂いたタクシーの運転手さんのお話です。

だいぶ迷ったらしく、予定時間より15分程遅れて、
そのタクシーは到着致しました。
車内は、阪神対広島の開幕2試合目の放送が流れております。
関西弁を話される運転手さんでしたので、
阪神ファンと想像ができ、ラジオを聴いていたところ、
阪神の勝ち越した瞬間にラジオを切ってしまいました。
「広島ファンなんですか?」とっさに聞いてしまいました。
運転手さんは、それはもう、コテコテの関西弁を話していたからです。

「いや〜、僕は阪神ファンなんですけどね〜。
お客さんの前では、野球の話は御法度やからね〜。」

と、ご機嫌なトークを、返してくれます。
僕らは問題ないんで、続きを聴いて下さいと伝えますと、

「助かるわ〜、エエお客さんに乗ってもろて!」

と、再度ラジオを点ける運転手さん。
嬉しそうに、世間話を繰り広げます。
阪神ファンで、コテコテの関西弁の運転手さんだったので、
大阪の方ですか?と聞いたところ

「話は、長うなりますねん。」

と、彼は話し始めました。

「僕は、日本人と違いますねん!僕はブラジル人なんですわ!!」

余りにも、突飛なコメントに一同どんなリアクションをしていいか判りません。


山田庄作
助手席に有るネームプレートには、そう書いてあります。


「僕は、日系3世でデンソーに出稼ぎに来たんですわ。家族連れて!」

聞くところによると、そこを定年退職されて、タクシードライバーを始めたんだそうです。
そこから、自分の生い立ちについて、いろいろと語ってくれました。

「僕は、17歳の時に、職業軍人になりたくて、母親に言ったところ、猛反対されて、
軍人にならしたくない母親が、15歳の可愛い娘を連れてきた。この娘と結婚しなさいって。
その娘が可愛かったから、まあエエかって、結婚したら立て続けに娘が5人できた。
それで、軍人になるのを諦めたんですよ。」

またまた、凄い話が飛び出してきます。
それからは、運転手さんの独壇場です。

「僕の奥さんは、可愛いですよ!今もね。
奥さんは二卵性の双子で、兄さんがおるんですよ。
でね、二卵性の双子の女の子というのが影響してか、
ウチには女の子しか生まれないらしいんですよ。ホンマか嘘か判らえへんけどね。
でも、僕のお母さんが、何人産んでも女の子しか生まれへんって言うから、
本当かなって思ってたら、本当に、女の子が5人もできた。不思議なもんやね〜。」

一同、山田さんの話に釘付けです。

「この話したら、長なるな〜!また機会あったら、この話させてもらいますわ。」

またの機会なんて、天文学的な確立じゃねぇーか!
遠回りしてでも良いから、続きを聞かせてくれ!と懇願致します。

「そうですか?エエお客さんやわ!」

と、その話の続きを聞かせてくれる事に、

「その、奥さんのお兄ちゃんのとこに、子供が出来たんですけど、
どうだったと思います?」

おっおっ!今度は質問ですか!!
我々は、恐る恐る
「全員、男の子」と、答えます。

シタリ顔の山田さん
「実はね。3回連続で双子が生まれましたねん。しかも二卵性の!男と女の!!」

う〜ん!生命の不思議!?
声を失った我々!

「ほな!着きました。今日はエエお客さんやったから、
お代は、まけさせてもらいますわ。」

颯爽と、我々の前から、立ち去るタクシー、
旅の醍醐味は、こんなとこにも隠されています。

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