Le Tour
子供の頃、仲間とよく自転車で競争をした。
「デッカイ魚を見た!」という目撃証言を得て、「その川まで競争しようぜ!」等と自転車を走らせたものだ。
今になって思うと、本当は競争なんてどうでも良かったのかも知れない。
仲間達と目指す場所に共に向かっているという連帯感、共有感を欲して居ただけなのかも知れない。
先日、4年前に映画監督を目指して渡仏した仲間が突然帰ってきた。
なんでも、日仏合作の映画のフランス側のスタッフとして、緊急に帰ってきたらしい。
「トラブっちゃって...」なんて言いながらも、どことなく誇らしげだった。
いろいろと困難な状況のようだが、とても前向きに事に当たっている。
気付けば彼も三十代に突入したという。学生だった彼も、もう三十か...月日の経つのは早いものである。
確かに、どことなく雰囲気が出てきたな。面構えもいい感じだ。
自信を漲らせている彼を見ていると、その当時の自転車競争を思い出した。
中野新橋の小さな古屋からスタートした競争は今も続いている。
ゴール設定は異なるかも知れないが、皆が懸命に漕ぐペダルの回転音が聞こえてくる程の連帯感と共に。
経験談として
映画館までの競争中にトップを走っていた私は、思いっきり車に撥ねられた事がある。トップ及び単独の走行には注意が必要である。