職人としての意地
「北京はやめました」
これは東京近郊の工場で、陸上男子砲丸投げの砲丸を作る職人の言葉だ。
その砲丸は1996年アトランタから2004年アテネまで、
日本が3大会連続で金銀銅メダルを独占してきたそうだ。
北京でも当然、日本製「魔法の砲丸」のメダル独占は確実のはずだった。
04年8月、サッカーのアジアカップが開かれた際、
現地サポーターが見せた日本に対するむき出しの憎悪。
それがこの職人には気がかりだった。
悩みに悩んだ末、4大会連続メダル独占の偉業を断念し、
砲丸の卸先の運動具メーカーに北京五輪用は作らないと伝えた。
去年の11月のことらしい。
「砲丸は私の分身です。大事に使ってくれる選手には申し訳ないが、職人としての意地があります」
世界のトップ選手が「1~2メートルは記録が伸びる」と評価する「魔法の砲丸」の辞退で、
北京五輪の優勝記録が少なくとも1メートルは短くなるとの予測もある。(産経ニュースより引用)
しかしこの際、飛距離は問題じゃないんじゃないかな。
もちろん選手の記録への執念は計り知れないものだろう。
とにかく選手の方には、現状でベストを尽くし、メダルを目指して頂きたい。
獲得したメダルをどうするかは自由だ。
ただメダルを獲る方は、
職人の技に対し常日頃から、恩恵を感じ、敬意を払っている方だと思う。
今後の動向に注目して行きたい。
それにしてもこの職人の生き方は潔い。
大きな感銘を受けた。