ブカレストに着いて二日。
ブルガリアの綺麗な街を見た後だと、ブカレストの街は荒廃的にさえ見える。
街にはジプシー、物乞いの数はとても多く感じるし、廃墟となっている建物も多い気がする。
国境から乗せてくれた学生カップル。
とても優しかった。
けど、ブカレスト郊外の面白い形をした建物に興味を持った自分に、「あれはジプシーの物だから」と軽蔑を露にした。「絶対にお金なんか渡しては駄目だ」とも言った。
彼らの中にどういう物が育て上げられてきたかは分からない。
それはとても深い闇のように感じるのは自分が彼らから見れば眩しい光の中から来た者だからかもしれない。
自分のいる場所の明るさは目が慣れてしまっていて分からない。
明るいところからでは闇の深さは測れない。
闇に目を慣らす必要がある。
闇に慣れれば光の中は見る事が出来ない。
自分の中に育った物は体の隅々まで行き渡り、条件反射のようにいろんな事を瞬時に判断してしまう。
本当は闇も光もない。
すべてはただそこにあるだけだ。
それを未完成な目、心で見ている自分。
ブルガリア側で国境まで乗せてくれたおばちゃんはソ連時代が懐かしく、いい思い出だとも言った。
旅は色んな角度から世界を日本を自分を見せてくれる。
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