
はじめに。
写真をまとめるにあたって、考えること。
また、多くの方に質問されること。
何を想い、何を伝えたいのか?
多くの作家はその答えを持っていると思う。
しかし、残念ながら自分にはまだはっきりとした答えがない。
旅。
二十歳になる以前から、列車やバイクで日本を旅した。
小さな頃から両親に国内だけでなく、海外にも連れて行ってもらった影響もあるだろう。
旅をすることに違和感はなく、旅に出ない理由もなかった。
新たな世界への憧れと、何かに囚われ依存することが恐くて、逃げるように旅に答えを求めていたような気もする。
多くの疑問と共に旅立ち、多くの答えと、それを超える大きな疑問を持つようになった。
それから8年、49カ国を旅し、まだ答えを追いかけている。
写真。
あなたにとって写真とは何か?
と聞かれたことがあった。
ぱっと浮かんだ答え。
写真とは記憶である。
ごく私的な自分自身の記憶そのものであり、その瞬間を呼び起こすモノ。
感じ、想い、行動してきたこと。
出会い、繋がり、疑問と答え。
記憶そのもの。
世界。
世界は、不変であり、完結している。
そう感じることは多い。
世界は与えられることもなく、奪われることもない。
世界は常にそこにある。
変わることのない本質。
その本質を追い求めているのだと思う。