今日からつかの間の暖かさを取り戻す予報のベルリン。
トロントの冬を経験しているから余裕を持ってベルリンに来たものの、やっぱり寒いというのは嫌だ。
なんたって、まだ10月。
日本だったらまだ暑いと思う。
友達の家にあった日本のベルリンガイドブックの一節に目が止まった。
ベルリンは壁崩壊が遅れたおかげで今の姿がある。
正確にはちょっと違ったかもしれないけど。
ベルリンの壁や、ナチスドイツ時代の暗い歴史ばかり見ていると、本当に悲しくなる。
けどベルリンはその暗い過去を忘れずにけど焦らずにのんびりとしているように見える。
しかし、ここ数年でベルリンは大きく変化している。
前回来た時(二年前)にあったスクアット(不法占拠されたビル)なんかは無くなり、観光地化されてきていて、治安もだいぶ回復したらしい。
そして、どんどん住みやすくなるベルリンに世界中から人が集まり、アパートなどを買い占めているらしい。
そのせいで必然的に物価は上がり、安い物件は減り、若いアーティストたちは住みづらくなっているのも現状だ。
昔のベルリン。
今のベルリン。
未来のベルリン。
ドイツの首都であって特殊な街。
今のベルリンが失われるのもそんな先のことでないと思う。
百田尚樹さんの「モンスター」で美女というのは簡単に言うと個性のない、平均的な顔のことを言うと書いてあって、納得したことがあった。
個性のない顔に憧れる。
ということは個性や、特殊なものは多くの人にとって安心できる存在ではないのかもしれない。
けど自分は今の、いや前回来た時のベルリンの方が好きかもしれない。
もっと何かが起きそうな変な街だった気がする。
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